SEP船教育用模型セット

  NPO 長崎海洋産業クラスター形成推進協議会 海洋海洋アカデミー様に納品させていただいた洋上風力発電所施工用のSEP船教育用模型セットを紹介させていただきます.SEP船とは伸縮可能な脚を備えた海洋工事用の運搬・作業船舶の一種で、国内でも大型のものが洋上風力発電所の建設のために整備が進められています.SEP船は資材を自身に大量に搭載した上で脚を海底に立てて船体を水面上に持ち上げて工事ができるため、波浪に強い安定した洋上工事環境を実現できるため従来の工事船と比べて工事の大幅な効率化が期待されています.

 模型は教材としての使用を前提として工事手順を説明・再現するために手で触って動かせるように若干のデフォルメがなされており、展示模型ではありません.クレーンの旋回俯仰、ブームの伸縮、フックによる巻き上げ、脚のスライドによる高さ変更などの可動ギミックが盛り込まれています.



 大きさは艦船模型によくある1/350スケールで材質はMJF5200で出力されたPA12・ナイロン樹脂製です.MJF方式で出力された樹脂部品は強度異方性が極めて少なく、通常の3Dプリンタ出力品と比較して耐衝撃性が高く、通常の展示模型よりかなり頑丈に作られています.上の写真は搭載物として同時に設計製作した12MW級のモノパイル型洋上風車模型であり、分解可能な構造となっており、基礎工事時と上物組立時の各工事ステージに沿って積み替え可能な仕様となっています.風車模型にはマグネットが取り付けてあり、ワンタッチで工事の各段階に沿った再現が可能です.


上の動画が実際にモノパイル型洋上風力発電装置を工事手順説明のために再現した例となります.

なおこの模型セットは2つの収納・運搬用ハードケース(船体、風車)にコンパクトに収まるようになっています.