実験機体構造物FR-01D

 FR-01DはFR-06Dを開発する原点となった実験機体構造物です.3Dプリンタの活用による軽量で強固な主要機体構造物の製作手法や機器レイアウトなど多数の共通する要素を持っていますが、FR-06Dとの共通部品などはなく、完全に別のものとなります.この機体設計で得られたさまざまな知見がFR-06Dの随所で生かされています.


FR-01Dはプロップローターの採用や収納時の翼折り畳み機構の他にも実験的な要素を多分に盛り込んだエアフレームです.(全幅約160㎝)最大の特徴は3Dプリンタによる造形部品を主要構造物に大量に採用して飛行可能な重量を達成していることで、複雑形状の一体成型部品を多くの部分に使用しています.組み立てに接着剤は全く使用しないことにより、特殊な篏合形状と弾性ピンによる結合を採用することで完全な分解整備・部品交換が可能となるとともに組立に熟練を必要としません.

上図は3Dプリンタの造形特性・性能限界を配慮して設計された超薄肉構造のアイソグリッド構造を持つ主胴体の断面です.カーボンファイバー複合材などを使用せずに一発成型で重量増加を抑えつつ強固な構造体を実現しました.

主翼内部構造の例、アイソグリッドで補強された外板と桁、隔壁類が上下面とも接着などによらず一体成型されています.