FR-08P 3.5クラスマルチコプター開発中

 
シュラウド付きの対人、対物安全性を高めたマルチコプター型のドローンフレームのデザインを始めています.通常のマルチコプターでは高速回転するプロペラがむき出しのため、対人・対物での安全性や障害物の多い環境で問題を抱えています.通常プロペラガードやシュラウドを付けることでハードウエア的には解決が図られますが、後付けの頑丈なシュラウドは重量増加や機動性の低下を招くため大きなマイナス要素ともなります.FR-08Pではシュラウドも機体フレームの主構造として利用することで重量増加を抑えつつ、大きく頑丈なシュラウドを装備することを目指しています.

一般的にダクトプロペラのダクトは高速時は抵抗になる場合が多いのですが、マルチコプターは実用用途では高速性より低速域でのホバリング性能などを重視する場合も多いためシュラウドの静止推力を増加させる効果によるメリットを期待したデザインとしています.

通常のFPVレーシングドローンなどではバッテリーを上部にむき出しでベルトなどを使って搭載することが多いのですがFR-08Pではバッテリーは中央のシュラウドに挟まれたトラスフレーム内にバッテリースペースを確保し、安全性の向上と空力的メリットを狙った配置としています.

また本機は大きなシュラウドを装備したことで同クラスの機体と比較して外形が大柄になってしまいます.そこでシュラウドを上方に2つ折りにできる折り畳み機構を備え、幅8㎝程度の四角に近い形にすることで保管や輸送時に箱状のケースに無駄なく入りやすい形態でデザインしています.これによりシュラウドを持つことで輸送時に邪魔にならない大きさ、形状を保ちつつ、繊細なプロペラを取り外さずつけっぱなしで扱えるというメリットも併せ持つことができる予定です.

本記事執筆時点ですでに1号機の試作が始まっていますので、後続の記事で順次レポートの予定です.